ドリフト drift とは
1 計器のドリフト
アルチ・バリオメーターをONにすると、まもなく音と表示が現われ正常な動作状態となる。
しかしONした直後から数分を経ると、1度合わしたはずの高度の表示がずれていたり、少しの風の変化でピーピーとうるさかったバリオが安定して鳴り止んだりする。
これはバリオの動作点がドリフトしている事からくるもので、少なくともフライトの5分前くらいから計器はONして安定してからフライトにのぞみたい。
トランシーバーなどもドリフトして正確には周波数がずれるのであるが、PLLという周波数を一定に保とうとする回路が働く為、実用上問題にはならない。
2 サーマルのドリフト
サーマルを捉え、センタリングをしていると風に流され風下に流されていく。
ところが、ある高度までいくとサーマルから外れてしまうことがある。
その原因のひとつにサーマルのドリフトがある。
地上風と上空の風の方向が違うことはよくあり、地上風に流されていたサーマルが上空の風に達した時、方向を変えるのである。
サーマルを外さない対策として
1 センタリングのバンク角をなるべく一定にしていることで、ドリフトしたサーマルに自然についていく。
2 上空に雲がある場合、地上に写った雲の影の移動方向から上空の風向きを察知する。
3 GPSを使いドリフトの存在とその方向を早めに察知する。
GPS連動で、その空域の風向きを確認できる多機能のバリオメーターもあるので積極的に使いたい。